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二人は優しく俺に問う。
なんだ、と俺はボソリと呆れたように呟く。
「知ってますよ、そんなこと。何年アイツとつるんでると思ってるんですか」
呆れ笑いを浮かべると紅の両親は驚いた顔だったがすぐ笑顔に変わり、
「なるほどな、私たちの方が紗利菜のことを知ってると思っていたが違ったようだ」
「ふふっ、そうみたいですね、ちょっと分かってない所あるみたいだけれど」
……?
最後の言葉が小声だったので上手く聞き取ることが出来なかった。
「紗利菜をよろしくね」
やさしい紅のご両親の笑顔と、両サイドに並ぶメイド達に「お気をつけて」と一斉にお辞儀で見送られ、俺達はその場を後にした。
紅家の執事が運転するリムジン…に乗せてもらい、俺達はそれぞれ帰宅した。
家路に着いて思ったのだが……、あいつ、家族はどうしてるのだろうか。
今日は遅くまで居座ってたが七時にもなっても帰ってこないことから、夜の仕事でもしてるのだろうか。
気になってもしゃーないので、明日彼女に直接聞いてみることにしよう。
今日はもう遅い。時計も十二時を差している。まぶたが閉じたがって仕方なかったので俺は寝ることにした。
ー*ー
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