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カッと目を見開き、躊躇なくドアノブに手をかけぐいっと右に回した。
ガチャ!!!
扉には鍵がかかってないようで、すんなりドアは開いた。
「……無防備すぎるぞ…絹織紫小里……!!」
同じ学校の生徒である俺ならまだしも(?)他の男がやって来たらどうするんだ…!
そのままずかずかと部屋に入っていき、絹織を血走った瞳孔かっ開いた目で捜索する。
すると、わずかに開いた扉からゲームのようなピコピコとした音楽が漏れているのを発見した。
そこかーーーーっ!!!!
バンッ!!!
力任せに勢いよく扉を開く。
その扉の向こうの光景は想像付かないものだった。
『じゃあじゃあっ!このあとあなたの家にちいこが寄ってってもいいかな??』
→・いいとも!
・ちょっと掃除してから
・え?嫌だなあ・・・
「いいとも~!!!」
その奇妙な光景を目にし、俺は唖然とした。
テレビの画面に向かって大声で話しかける布団に包まった女性、おそらくあの子が絹織紫小里なんだろうけども…。
そのテレビの画面はというと、とてもアニメチックな絵柄の、胸がやたら強調させたようなタッチに大きな瞳にバサバサまつげの女の子がいたが…。
あれか、萌え~ってやつか?よくわからないけど。
その女の子に向かって話してるのか?この人は。
『えっ!いいの?突然のお願いだったのに…。しおりくんはやさしんだね!』
「でゅふふふふ…ちいこちゃその為なら例え火の中水の中草の中森の中土の中にだって行くでござるよ?」
ベッドでうつ伏せ状態でゲームをしているこのだらけたオタク女が、あの、絹織紫小里なのか…?
多少ショックを受ける俺だったが…
いやいやいやいや!
待て待て!早まるな!もしかしたらお姉さんか妹さんの可能性もあるかもしれねえじゃねえか!!
つうか、何であんな大きな物音出したのに彼女は気付かない…?
そんなに夢中になってんのか?
「…お、おい!絹織!」
「はあ?…今日も絶品かわうぃうぃちいこちゃそ…でゅふふ」
…どうやら夢中になりまくってるらしい。
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