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宿題の方はというと、さすが優等生。
一週間分の数教科の宿題を渡して翌日にすべてお終わらせていた。
…まあそれをやるだけの時間があるから当たり前なのかもしれないけども。
「うぉっしゃああああ!!うまい具合に斉藤に擦り付けたどー!!」
「…あ」
「しっ、紫小里さんめ…よくも和白を…!!待っててください!!和白!!今私が助け行きますわ!!」
「紗利菜ちゃんそうゆうゲームじゃないからねこれ」
「桃鉄」。それは簡単に言うと人生ゲームのようなもの。
目的地を決め、それぞれ社長として千万円を所持する。そして電車に乗りサイコロを降って各地をまわり株を買ったり資金を増やしたりするもの。
まあ気になったら実際にゲームをやってみたらいいんじゃないのかな、うん。
「ああっ!!一(いち)!!残念ですわ…」
「十二マス分あるから全然届かなかったね……」
「つーか紅、お前さっきから一マス分しか進んでなくね?」
「うぐぐ……」
「そんなドジっ子な紗利菜殿がとてもキュートでござる!」
「うううっ!!うるさいっ!!」
となんやかんやにぎやかにゲームを楽しんでいた俺達だったが、黄坂のとある一言で空気が一変することになる。
「あーもうこんな時間かあ…そういやしおりちゃんのお母さんは?今仕事なの?」
と六時半を指す時計を見た後彼女を伺う。
「…………」
突然静まり返った紫小里に一同は少し不安になる。
「…え~っと…アレかな?聞いちゃいけない感じだった?」
嫌な空気が漂う中、すう、と彼女、絹織の口が薄く開かれた。
「…それは遥か昔のこと」
「………えっ?」
あーあ…始まっちゃったよ…。
俺は大きくため息をつく。
「えっなにあれ。和白、何が始まるの?」
「………まあ…見とけば分かる…」
「?」
黄坂と紅は顔を合わせてお互い首を傾げている。
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