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「…ワイはとある女神のもとに生誕した」
「えっなんかカッコいい」
「…しかしその女神はワイを創った後すぐに虚空の彼方へ消えてしまった…ワイに使命を残して」
「なになに?」
珍しくあの紅も彼女のーおそらく創作話だろうー話しにのめり込んでいる。
お…お前ら…!!なんで聞き入ってんだよ…!!
「その使命…とは…」
「「その使命とは?」」
「………」
「………」
しばらく再び、だが先程の空気とは違う、息をのむー俺以外がー雰囲気が漂っている。
ごくり、と生唾を飲み込む音が部屋に響いた。
「……詳細はWEBで!!チェケラ!!」
ズコーーッ!!!
……なんだそりゃ。
~*~
その後も彼女の親について訊ねると似たような創作話ではぐらかしてしまい、切りがないので俺達は渋々彼女の家をお暇することに。
「けーっきょく、しおりちゃん情報あまり収穫できなかったなー。ゲームが得意なことくらいしか分からなかったし…。」
先頭を歩く黄坂はふて腐れながら後頭部に両手を組んでだらけている。
「何だ彼んだ彼女は謎に包まれてますわよね…。不登校になった噂もほとんど聞きませんし…」
紅は考え込みながら難しそうな顔をしてテトテト歩いている。
確かに絹織は色々と不透明な部分が多すぎる。
不登校の訳。家族構成。
そして、あの二次元に対する執着心。
いつか聞こうとして結局聞けずじまいになってしまい…、もしかしたら聞いても今日みたいにはぐらかされるかもしれない。
結構ハードルが高いかもしれないな…。 と、俺も二人のように考え込んでいると、 ドン と誰かにぶつかってしまったようで、その衝動音とともにドサッと俺にぶつかった人が倒れ込んだ。
「あっ!すいません!大丈夫ですか?」
「さすが鉄板の胸板の持ち主と呼ばれてる和白!ビクともしませんでしたわ!」
「初耳だしまずは被害者の方心配しようよ紗利菜ちゃん」
俺は慌てて、倒れた人に手を伸ばす。
か細い容姿にサーモンピンクのロングヘアーの…レディーススーツからおそらく女性かと思われるが、彼女の手を取りを起こそうとすると
「や、やめて…!!」
バッと手を払われてしまった…。
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