世界の果てで、君に番外編・聖太郎サイド1

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初めはちょっとした、真反対の存在への興味だった。きっとそうだ。そんな重い感情があったわけじゃ・・・ない。 ・・・けど、話すにつれ、聞くにつれ、触れるにつれー・・・、順序逆だし、ー・・・信じてもらえないかもしれないけど。 俺、郁人に恋をしてしまった。俺はしがない一デザイン屋。あっちはエリート検事先生。 ーー・・・なのに 俺は。 飛び込みで入ってきた仕事に追われるうちに、あっという間に10日近く過ぎた。例の件も、つつがなく終わった。・・・俺に出来る精一杯の仁義のつもりだ。 『気をつけろよ・・・あいつ どうやらお前に逆恨みしてるみたいだぜ?』昔一緒につるんでた電気工のユタカの忠告。大翔が俺にそういうつもりでいるんなら、もうそれはそれで仕方ないだろう。 竜也も戻ってくるワケじゃないだろうし、今ならなにかあっても迷惑かける奴いないし。 ・・・そう、あの人も、俺のそばなんかにいちゃいけない人なんだよな。 浮かんだのは当然、郁人の姿。 俺の名前を呼ぶ潤んだ瞳。 必死にしがみついてくる腕。 そしてー・・・、 なにもかもがまざまざと一瞬で蘇る。首を振って必死に打ち消す。 あの人には、あの人の暮らす世界がある。・・・俺なんかと違う、まさに天上のー・・・
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