世界の果てで、君に番外編・聖太郎サイド1

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リバカプ、ということで、どちらにもそれなりの言い分があるはず…。と思い立つうち、出来上がっちゃったのが前回の『8』『9』での聖太郎目線の郁人との出逢い編です。 同じ出来事でも人によってとらえ方は違う、ということかな。 郁人君の回想と読み比べてみても面白いかと思いまス。 今週、来週と配信です。2話完結です。 しばしの間、聖太郎君と同じ目線でお楽しみくださいませ。 ◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇ ・・・別に俺だって、好きで警察なんかに捕まりたかった訳じゃない。よく職質されるし。そのたびメンド臭いし。できれば避けて通りたいのが普通だよね。 大翔は基本、悪い奴じゃない。ー・・・ただ、多少ネガティヴ、っていうかひがみっぽいっていうか。・・・まぁ、あいつは子供の頃から少しばっか入り組んだ環境に置かれちまったおかげで、全ての物事を斜めに観るような癖がついてしまったんだと思う。ー・・・そうなると、自分の考えや感じたことなんかも自然曲がってアウトプットされるわけで。 ー・・・だとしたら、俺達みたいな感性を売り物にする職業には厳しいかもしれない。変なフィルタをかけて形になった物に、人の心を引きつける何かが宿るわけがないから。 常に丸裸。捨て身の勝負。それが、デザイナーとしての矜持だと信じてる。 今回のコンペでは、俺の案が採用されることになった。素直に、嬉しい。 けど大翔の手前、あんま手放しに喜ぶ訳にもいかない。あいつも応募してた案件だし。・・・かといって変に気を遣いすぎても繊細なアイツはドツボにはまるだけ。今ではたまにしか顔合わせたりしないけど、会った時にはいつも通りに、を心がけたつもり。 『渋谷警察署の者ですが』 ドア開けた途端、いきなり手帳見せられたときはビックリした。ー・・・なんか、ドラマみたいだな、って。
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