ヒビキ 2歳

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「貴方は王子です! 御身に何かあったらどうするのですか・・・っ!」 頬を伝って涙がボタボタと落ちる。 「――その時は、第2王位継承権を持つ従弟が王になるであろうな。」 (・・・いや、そういうことじゃなくてな。) この王子は何処かズレている。 「だが――」 王子は腕を伸ばすと、服の袖でエレインの涙を拭(ぬぐ)った。 「我は王になるからこそ、これまで多くの特権を得、多くの者から教えを受けてきたのだ。 おかげでやりたいことも山積しておる、そう易々と玉座を明け渡すつもりはない。」 エレインと王子の視線が交わる。 それから、王子の眼差しがふ、と和(やわ)らいだ。 「・・・よもや我を守ろうとする女子(おなご)がいようとは。」 「! あ、あれは必死で・・・っ」 何も考えていなかったんです、とエレインは顔を赤らめる。
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