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「そうか――・・・そういう者が欲しかったのやも知れんな。」
王子は一層頬を緩(ゆる)め、エレインの手を取る。
「?」
それから、疑問符を浮かべるエレインを見つめた。
「――エレインよ。
我の妃になることを見据え、付き合ってはもらえまいか。」
「え・・・・・・ええっ!!?」
泣いたり驚いたり、忙しいエレインである。
しかし、驚きが一段落すると、とうとう首を縦に振ったのであった。
「――良かったんですか? 受けてしまって。」
デートもお開きになり、それぞれ帰ろうという時、サラはこっそりエレインに訊いてみた。
もとより王太子妃の候補になること自体、否定的だった娘である。
了承してしまったものの、躊躇(ためら)いが残っているのではないかと慮(おもんぱか)ってのことだ。
が、そんなサラの思いと相違して、
「サラさま、私、頑張ってみます!」
エレインは晴れやかに笑ったのであった。
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