ヒビキ 2歳

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「そうか――・・・そういう者が欲しかったのやも知れんな。」 王子は一層頬を緩(ゆる)め、エレインの手を取る。 「?」 それから、疑問符を浮かべるエレインを見つめた。 「――エレインよ。 我の妃になることを見据え、付き合ってはもらえまいか。」 「え・・・・・・ええっ!!?」 泣いたり驚いたり、忙しいエレインである。 しかし、驚きが一段落すると、とうとう首を縦に振ったのであった。 「――良かったんですか? 受けてしまって。」 デートもお開きになり、それぞれ帰ろうという時、サラはこっそりエレインに訊いてみた。 もとより王太子妃の候補になること自体、否定的だった娘である。 了承してしまったものの、躊躇(ためら)いが残っているのではないかと慮(おもんぱか)ってのことだ。 が、そんなサラの思いと相違して、 「サラさま、私、頑張ってみます!」 エレインは晴れやかに笑ったのであった。
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