アルバ

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「母さまほど並外れた容姿と、途方もない魔法量と、可愛さと図太さと鋭さと茶目っ気を持ち合わせた性格の女性なんて他にいる訳ないよね。そこに魅力を感じる人が一定数存在するっていう事実から目を背(そむ)けるのはどうかと思うんだけど。」 「そうですわサラさま!」 「...ジョアンナまで...」 ぐったりと肩を落とした奥方は、「私のことは私が1番見えていますし、見えているフラグをへし折るくらい造作もありませんから」などと良く分からないことを呟いている。 なんかこの人、この屋敷の中でヒエラルキーの頂点に立っているように見えながら、実のところそうでもないようだ。というより、家族の主張が強い上に結束しているから抗弁し切れないのか。 自身の形勢不利を悟ったのか、奥方は静かに席を立った。それから「じゃぁ私はそろそろ」と撤退に入る。 色々ともてなしてもらった手前、お礼の言葉をかけたいけれど、このタイミングでは止めた方が良いんだろうな。 空気が読める俺は、何も言わずに見送ることにした。お礼は後でバンビちゃんに言付けしておこう。 そしていつの間にか完食していた領主もまた、立ち上がった。奥方のあとを追ったかと思えば、するりとその腰に手を回す。 ...凄く自然な流れだったな、今の。
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