ある夏の暑い日のこと

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「それにしてもレギュラーかー、いっぱい頑張ってたもんねぇ。」 彼女が頷きながら、話を続けた。 「まだ、レギュラーじゃないって。」 「んーん、なるの。確定させたの。」 イタズラを含んだような笑顔で彼女は答える。 「ワタシが見に行くんだから、完全試合ぐらいやってよねぇ。」 「とんだ無茶をおっしゃる・・・。」 「アハハ、でも弱気じゃダメだよー?」 人差し指を口にあて、何か考えているのか上をみていた。 「まずはレギュラーになって、その次は、7番でエース!」 「4番でエースじゃないんだな・・・。」 無理だとわかっていても、少し残念な気持ちになるのはなぜだろう? 「ラッキーセブンだねぇ、それでそれで、次はいよいよ公式戦!!」 「春の大会らへんかな?」 「そうそう、ピンチになると冷静にポケットからハンカチを取り出すんだよ!」 「あれ、なんだろうその既視感。」 僕は王子にはなれそうもないな・・・。 「ハンカチいる?」 「いりません。」 「エヘヘ、それでね、その大会では惜しくも負けちゃうんだー。」 「ありゃりゃ、そりゃ残念。」 笑顔のままで話を続ける。 「だけど、実力をつけた我が校は、いよいよ夢の舞台、夏の甲子園へ!!」 「甲子園・・・。」 その言葉を聞いて、僕は次の台詞を見つけることができなかった。
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