18人が本棚に入れています
本棚に追加
つい最近まで『少年』としか形容できない体付きをしていたのに、ここ最近は会うたびに背が伸びて大人びた印象に変わってきた。
スラリとした体は今日も隙なくスーツに包まれ、首元には私があげたワインレッドのネクタイ。
ボスの帰宅の警護をするために、ボスの仕事が終わるのを待っているのだろう。
見苦しくない程度に壁に背を預けた彼は、仕事の隙間の時間に書類を読み込んでいるようで、登場した私には目もくれない。
瀬戸灰人
ようやく最近高校生くらいの外見まで育ったけれど、実年齢はもっと上で21歳。
人事部秘書課課長、通称ボスの私設ボディーガードを務めている。
……うわぁ
私と彼とは顔見知り以上、恋人未満、ノット友人の関係だ。
プライベートで一緒に出かけたこともあるし、お互いの連絡先も知っている。
でも、だからといって想い人とも言い切れないふんわりした関係。
そんな距離を、私はひとまず楽しんでいる。
最初のコメントを投稿しよう!