リーディンググラス

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 そんな感じだから、彼のプライベートな側面を全く知らないというわけではないんだけど……  ……メガネかけてる所、初めて見た………  狼のような金色の瞳が印象的な整った顔に、見慣れないメガネが収まっている。  オーバルのリムレスをかけた彼は、最近雰囲気が大人びたせいもあって、やたら仕事ができそうな知性派の雰囲気を醸し出していた。  綺麗な瞳を伏し目がちにして、凛と、でもどことなく気だるさも漂わせながら書類に目を走らせる姿は、間違いなく世のオネエ様方の心を捉えて離さないはずだ。  私はなんとなく足音を忍ばせて彼に近付いていく。  今の彼の雰囲気を、声をかけることで壊してしまうのはもったいないような気がしたから。  だというのに彼は、軽く息を付きながら書類を片手でまとめて、まるで私から顔を遮るかのように顔の横に立ててしまう。  その向こう側で空いた片手が顔に伸びて…… 「って、コラーッ!!」
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