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幼馴染
内山由宇と小杉尚は幼馴染であった。
毎日お互いの家に入りびたり遊ぶほど仲が良かった。
「私大きくなったら尚と結婚するの!」
小さいころは毎日のように言っていた記憶がある。
その頃は自分は尚のお嫁さんになると思っていた。
小学校に入学した頃から男子たちにからかわれるようになった。
「内山は、尚のことが好きなんだって~。
ひゅーひゅー、ラブラブー」
そういわれるのが恥ずかしかった。
からかっている男子を見ても尚は何も言ってはくれなかった。
「別に好きじゃない!」
小学校三年生の時、思ってもいないことを口にしてしまった。
からかわれるのが嫌だった。でも好きじゃないなんて思っていない。
叫んだ時、尚は教室の入り口に立っていた。
ーー聞かれた・・・。
それ以降、学年が上がるにつれて、尚とはいつの間にか遊ぶことはなくなっていた。
自分が言ってしまった言葉が後を引き尚とは話せなくなってしまった。
ーーあなたはあの時どんな気持ちだったのだろう。
気づけば自分が今も尚のことが好きなのかすらわからない。
初恋はもろくもはかなく散っていった。
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