【屈託のない笑顔】

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「遅れて、ごめんねぇ!!」 待ち合わせ場所に友人が少し遅れてやって来た。 遅れたと言っても、ほんの数分の事。 全然、気にするほどの遅刻ではない。 本当に律儀な友人である。 「いえいえ~そんな謝る事ないよ~!気にしない!気にしない!」 私は、元気いっぱいに友人に笑顔で応えた。 「わぁ!ありがとう!ごめんねぇ!じゃあ、後でアイスおごるからね!」 友人は、ニコニコと屈託のない笑顔を浮かべる。 その友人の… まぶしい笑顔に私は一瞬、どきりとする。 本当に屈託のない素敵な笑顔だ。 友人は… 性格が凄く明るくて、目鼻立ちも整っている。 その上、服装も凄く洗練されている。 同性の私でさえ、時々、彼女に見とれてしまう事が有るほど、素敵な女性だ。 「でも、今日も暑いねぇ!ホント!夏なんてなくなればいいのにねぇ!」 友人は、夏の太陽を見上げながら冗談めかして言った。 「ホントホント! 夏なんてなくなればいいのにねぇ!!」 と、私も友人に負けないくらいの精一杯の笑顔で彼女に応える。 そして… 内心でも… 私は… 自分が今言った言葉を『反すう』する……。
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