第1章

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七月中旬の学校は、死ぬほどアツく授業をエスケープしたくなる。 そんな日々。今日も今日とて、大山君は度(ど)し難(がた)い。さらにもまして、度し難い。 言いたいことがあるのに。 言おう、言おうと思っていても大山君は茶化してくる。スッと外される。 アレか、アレなのか。わかってやってるのか。 パタパタとクリアな下敷きで涼んでいる私に、大山君は話しかける。 「度し難い!本宮さん」おい、満面の笑みするのやめて。 「相変わらず度し難いね大山君。TPO守ろう」
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