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俺こと光浦康宏(みつうらやすひろ)の恋人は、7つ年上の女性だ。
名前は須山希美(すやまのぞみ)といって、塾会社に勤めている。
気が強くて、意地っ張り。
そのくせ不器用で世間知らず。
無駄にプライドが高けれども頑張り屋で、すぐに躓くのに痛いとは決して言わない頑固さも併せ持つ。
端から見ていると、どうも危なっかしい女である。
そばにいる俺が守ってあげなければ。
学生の分際で生意気にもそう思っていた俺は、逆に彼女に守られていたことを知って、人生観が変わった。
彼女は自分を犠牲にして、俺の夢が叶うよう動いてくれていた。
それまでずっと利己的に生きていたが、彼女はそんな生き方もできるのだと、身をもって教えてくれた。
この人になら、人生を捧げてもいい。
俺は今、本気でそう思っている。
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