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百々の体感。
自分の声だけが聞こえる不思議。
閉じた目には、何も映らず何も見えず。
吸い込む大気は、彼女の体を巡る。
ただただ、心よりお願いいたしますと唱える。
あの子達は愚かだったかもしれないけれど、どうか許してあげてください
知らなかったんです
神様のお力の前で、すっかり怯え後悔しています
代わりに、私の真心をお受け取りください
詞に乗せて、お贈りいたします
ありがとうございます ありがとうございました
ありがとう ありがとう
「あまつかみ くにつかみ やほよろづのかみたちともに きこしめせと まうす」
声が途切れて闇に溶けた瞬間、くるるるる、と回っていた真円の力が天に向かって駆け昇った。
昔々に祈られ捧げられ留められていた力が、感謝に包まれて。
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