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「大祓詞って、6月と12月の終わりに唱えられるんだよね?」
6月の「夏越の祓(なごしのはらえ)」と12月の「年越の祓(としこしのはらえ)」。
厄や汚れを落とすそれは、対の行事である。
その時期、設置された大きな茅(ち)の輪を「8」の字を書くようにくぐる「茅の輪くぐり」が、神社で見られることがある。
大祓詞は、その際に言上される祓い詞であった。
「だから、これを唱えてきれいにしてから大年神様を迎える詞だって思ったから、大年神様が相手だったらこれでいいのかなって。・・・やだ、間違ってたら言ってよ!別なの、言い直すから!」
「言い直してどうする。既にいと高きところにおわすというのに。」
「じゃあ、成功じゃん!脅かさないでよ。」
「じゃんとか言うな!」
香佑焔は、めまいがしそうになる感覚とはこういうものかと呆れつつ、立ち上がった。
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