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「まあまあ、百々ちゃんたら。おほほほほ。」
ぴしり
「おまわりさん見て、腰を抜かすなんて。」
ぴしり
「痛いよう、大おばあちゃ~ん。」
「おほほほほ。」
愉快そうに笑う四屋敷一子が、正座している百々の頭を扇子でぴしぴし叩く。
百々は、半べそをかきながら、それを受けている。
今、百々は四屋敷の家に戻ってきていた。
いや、つれてこられた、が正解である。
警察から連絡が来たのが1時間前。
その電話が一子あてだったのは、一子の顔見知りの警官がいたからで、どうにか対応してもらえたからだ。
「百々ちゃん、何か物騒なことになったら、県警の堀井さんという方を頼るんですよ。」
百々が佐々多良神社に3年間お世話になるため四屋敷を出る日が近づくと、そう一子は言い聞かせてきたのだが。
「あなたが堀井さんを覚えていたことは、誉めてあげます。よく思い出したわねえ。」
「だよね!?だよね!?」
「ほほほ。それ以前に、簡単に警察のお世話にならない。」
ぴしり
「わーん!」
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