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小川たちと別れて、自転車置き場に向かっていると、ポケットの中の御守りが震えた。
ああ、またお説教されると、百々がため息をついていると。
先程、使ってからずっと握ったままだったスマホが震えた。
マナーモードにしておかないと、先生に没収されるため、着信の音はしない。
だから、鞄の中に入れておいたら、バイブレーションがオンになっていても、気づかなかっただろう。
もしかして、さっきかけた相手が、また何か言いたいのだろうかと見てみると。
「げ。」
そこには、しっかり『大おばあちゃん携帯』の文字が。
「何で、何で、なん・・・・・・香佑焔ーっ!言いつけたなー!」
ポケットの中で、それを肯定するかのように、御守りが一度反応する。
元々、四屋敷の敷地内にある小さな祠が香佑焔の住みかだ。
今は御守りに憑いているとはいえ、力の大元はおそらくまだ向こうだ。
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