許可

2/9
11885人が本棚に入れています
本棚に追加
/970ページ
小川たちと別れて、自転車置き場に向かっていると、ポケットの中の御守りが震えた。 ああ、またお説教されると、百々がため息をついていると。 先程、使ってからずっと握ったままだったスマホが震えた。 マナーモードにしておかないと、先生に没収されるため、着信の音はしない。 だから、鞄の中に入れておいたら、バイブレーションがオンになっていても、気づかなかっただろう。 もしかして、さっきかけた相手が、また何か言いたいのだろうかと見てみると。 「げ。」 そこには、しっかり『大おばあちゃん携帯』の文字が。 「何で、何で、なん・・・・・・香佑焔ーっ!言いつけたなー!」 ポケットの中で、それを肯定するかのように、御守りが一度反応する。 元々、四屋敷の敷地内にある小さな祠が香佑焔の住みかだ。 今は御守りに憑いているとはいえ、力の大元はおそらくまだ向こうだ。
/970ページ

最初のコメントを投稿しよう!