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「とほほ~・・・」
友人が聞いていたら、「わあ!本当に今時『とほほ』なんて言うんだ!さっすが百々、天然~!」などと笑われていただろう。
しかし、今の百々の心情は、まさしく「とほほ」だ。
迅速に、かつ、大胆に。
動いているような気になっていた。
ほんの少しだが。
それが、見事に打ち崩された気分だ。
無視すると言う選択肢は、あるはずもなく。
「・・・大おばあちゃん?」
自転車置き場の向かい側の壁にもたれて、百々は電話に出た。
『百々ちゃん。元気にしているかしら。』
曾祖母の一子の声に、咎める様子も問い詰める様子もない。
いつのもの口調だ。
でも、そんなことは、百々がこれから一人でやろうとしていたことがバレていない確証にはならない。
にこやかに、穏やかに、微笑みを浮かべながら、曾祖母は四屋敷の力を行使できる人だ。
それを、百々は知っている。
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