許可

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観念した百々は、学校であったことを順に話した。 昨日の授業中に感じた感覚も。 電話した相手の言葉も。 曾祖母は、何も口をはさまず、聞いていた。 「・・・でね、場所がわかったら、ちょっと行ってこようと思ったの。あんまり時間をあけたらダメかなあって。」 そう締め括ると、百々は黙った。 叱られるだろうか。 止められるだろうか。 四屋敷の当主が、その立場で止めるのならば、百々は諦めるしかない。 説得はしてみようとは思うが。 きっと、するりするりとかわされるのだ。 『・・・百々ちゃん。あなたには、香佑焔様がいてよかったわねえ。』 てっきり止められると思っていた百々は、それが「私に知らせにきてくれてよかった」という意味なのかと思った。 だが、曾祖母の一子の言葉は違った。 『私のときは、誰もいませんでしたから、つっぱしってしまったわ。本当にあの頃は、やれる気になっていましたもの。うふふ。』
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