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「けがれあらむをば はらへたまへ きよめたまへと」
きっと後悔したんです、伊邪那岐命様もーー
だって、お二人であれだけ神様たちをお作りになられたじゃありませんかーー
さあ、伊邪那美命様、再び伊邪那岐命様の元にお戻りくださいーー
菊理媛神様が、お導きくださいますーー
菊理媛神様、どうか伊邪那美命様を、どうかーーどうかーー
「かしこみ かしこみ まをす」
百々の詞とともに、本殿の周囲に立ち込めていた刺々しい空気が和む。
染み入るような温かさが満ちる。
争わず、慈しみ合い、赦し合うことを、菊理媛神と呼ばれる力が成し遂げていく。
荒ぶる伊邪那美命の力が、次第に安らいで、生前夫と寄り添ったときの慈愛に満ちたものに変化していく。
それに呼応するかのように、もう一つの力が不意に本殿の中に出現した。
「伊邪那岐命様・・・迎えに来られたのですね。」
伊邪那美命でも菊理媛神でもない力だとすれば、それはあと一つしかない。
佐々多良神社が祀る三主祭神の最後の一人、伊邪那岐命。
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