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「百々さん。おはようございます。」
食事を進めている百々の前に、義父の丈晴が座った。
もう午前9時なのだ、それでなくても生真面目な丈晴はきちんと身なりを整えている。
「おはよう、お父さん。えっと・・・」
自分が無茶をしたことを、父は怒るだろうか。
そんな心配そうな顔になった百々へ、丈晴のため息が返ってきた。
「今回の件は、百々さんが巻き込まれ、しかも佐多さんのお嬢さん絡みだったと聞いています。無茶はしないでもらいたかったですが、仕方なかったんですね?」
「はい!!」
ここぞとばかりに、百々は勢いよく首を縦に振った。
仕方なかったかと問われれば、100パーセントそうだとは言えない。
史生が本殿の前にいるとわかったら、引くこともできなかったわけではないからだ。
一子に連絡をして、その到着を待つ。
ただし、それでさらに後手に回って、史生が取り返しのつかないことになった可能性だってあるのだ。
そして、百々は行かなければと判断した。
百々自身が決めたのだ。
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