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「ならばいいです。今日は一子さんが帰ってくるまで、家でゆっくり休んでください。」
在巫女の役目にあまり好感をもっていない義父からは、それ以上追求されずに済んで、百々はほっとした。
止めていた箸で、だし巻き玉子を摘まむ。
「大おばあちゃん、どこかに出掛けたの?」
夕べの今朝で元気だなあと百々が内心感心していると、リンゴを剥いて七恵が持ってきた。
「おばあちゃんは、史生さんの病院に行ったのよ。」
「え、マ、マジ!?え!!何で!やだ、私も行く!!」
びっくりしすぎて、百々の口元まで運ばれかけた卵が落ちる。
さすがにマナーが悪いと丈晴に睨まれ、百々は慌てて落としただし巻き玉子を拾った。
それでも、百々の心の動揺は収まらない。
「どこの病院!?私も行っちゃダメかなあ!!」
あのあと、史生がどうなったのか、百々は心配でたまらなかった。
正気はまだ残っていたはず。
それでも、無防備に荒魂に飲み込まれたのだ。
心身ともに消耗は激しかったはず。
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