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「おばあちゃん、佐多さんのところと何度も連絡を取ってたから。そうそう、それからね。」
百々ちゃんが寝ている間に一度東雲さんから電話がかかってきたのよと言われ、今度こそ百々はがたんと音を立てて立ち上がった。
「わあああん!起こしてよう!かけ直す!」
「落ち着きなさい、百々さん。」
「そうよ、百々ちゃん。東雲さんなら今日は出勤ですって。今お仕事中だから、かけない方がいいかしらねえ。」
「えええええ・・・」
へなへなと力が抜けて、百々は椅子に座り直した。
史生を抱き上げて救急車に乗っていってしまった東雲は、あれからどうしたのだろう。
百々のことを、どう思っただろう。
下宿先から幸野原稲荷神社、佐々多良神社をつれ回したあげく、曾祖母に電話をさせ、救急車を呼ばせ・・・
「こきつかっちゃったよねえ・・・ああ・・・どうしよう・・・」
しょぼんと肩を落としながらも、食事を続けるあたり、百々である。
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