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そんな百々の様子に、七恵はふふふっと笑った。
この母はいつも幸せそうによく笑う。
すぐに慌ててじたばたする自分はまだまだ敵わないなあと、百々はよく思うのだ。
「東雲さん、百々ちゃんを夜遅くまで外出させてしまって申し訳ありません、ですって。百々ちゃんの方が付き合わせたのにねえ。」
「ホントだよ!何謝ってんの、東雲さん!」
「真面目で誠実な警察官ですね、彼は。百々さんだけでなく史生さんも未成年なので、自分も関わらせていただきましたと、きちんと挨拶をしてきたんだから。百々さん、次にお会いしたら、しっかりお礼を言いなさい。」
それはもう思いっきり全身全霊を込めて!と百々は心の中で激しく同意した。
どうやら両親の東雲への印象は、すこぶるいいらしい。
「百々ちゃん。東雲さんもいいけれど、下宿先の東さんのところにもお電話入れておくのよ?」
「ああっ!そうだった!」
結局、東雲と飛び出して、そのまま帰らなかったのだ。
そちらも一子が連絡をしてくれていると聞いて、どこまで用意周到なんだ大おばあちゃん、と百々が思ったのも仕方ない。
手抜かりがない、それが曾祖母なのだ。
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