魂鎮

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「ここ・・・・・・ペットショップみたいなもん!?」 「鳥専門だったのだろう。」 なるほど、だから置いてあるのは鳥籠ばかりなのかと、百々は納得した。 店は上手くいっていたのだろうか。 跡継ぎがいないから、店を畳んだのだろうか。 それとも、何かもっと続けられない理由があって、店を閉じたのだろうか。 だとしたら、ここに住んでいた人たちは?売っていた鳥たちは? 下調べもせずに来た百々には、わからない。 ただ。 目の前にある、崩れた社からは、確かに力を感じる。 強くはない。 だが、それは百々だからかもしれない。 電話で震える小さい声で、後輩の子は謝っていた。 『神様・・・ごめんなさい』と。 何かをしたのだ、ここで。 そして、誰も詣でることがなくなり、忘れ去られた社にまだ残っていた神の力の逆鱗に触れたのだ。
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