魂鎮

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「今回、おかしくなっちゃった子たちは、ここで何かしたんだろうね。電話の向こうの声から、神様の、うーん、何て言うか、力?気配?みたいなものをちょびっとだけ感じたの。」 「もっと曾祖母から学べ。その、何となく感じる、程度でこのようなところに来てくれるな。」 香佑焔が、またしてもため息をつく。 曾祖母の一子は、まだ本格的に百々を鍛えているわけではない。 佐々多良神社に3年間奉公するのは、その下準備のようなものだ。 それほどまだ勉強不足、力不足の百々が、不用意に神と名付けられ祀られる、人では御しきれない力に触れるのを、香佑焔は案じているのだ。 しかし、その心配は、なかなか百々には伝わらない。 曾祖母の血、四屋敷の血がそうさせるのか、香佑焔の甘やかし方がそうさせるのか、はたまた、元々胆が座っているのか。 「うーん・・・どうにもわからないんだけどさ、香佑焔。」 目を開けて、百々が香佑焔を見た。
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