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「商売繁盛で神様をお祀りするとしても、大年神様ってそっちのご利益あったっけ?」
「大年神様は、穀物の神でもあられるゆえ、商売というより農業だろうな。」
「じゃあ、どうしてそっちの神様祀らないで、大年神様なんだろう。うん、宇迦之御魂神様ならまだわかるんだよね。」
百々は、首を傾げた。
何も調べずに駆けつけたので、ここにどんな人たちが住んでいたのか、まったく下調べが出来ていない。
曾祖母の一子ならば。
方々に顔も利くし、何より式神を使える。
それに、知識も経験も豊富だ。
十分確信をもって事態にあたる様は、わずかの不安も揺らぎもない。
それに比べたら、今の自分がいかに愚かかわからない百々ではない。
にもかかわらず、若さゆえか、下手に座った胆ゆえか、つい行動を先に起こしてしまう。
それにハラハラしながら結局付き合うのが、香佑焔だ。
「おまえの疑問に応えるだけのものを、私は持ち合わせていない。おまえがここでできることをすればいい。」
その「できること」は、あまりに限られているが。
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