- 桜花と椿季 二人の花姫 -

12/19
前へ
/62ページ
次へ
「………ところで。いつなんだ、その合コンとやらは。」 「えっ?い、一緒に行ってくれるの?」  思わず、椿季は聞き返してしまう。だって、さっき桜花は〝行かない〟と言ったはずだったから。 「…正直、気は進まない。でも椿季が行くのに、あたしが行かないでどうするんだ?」  その辺のチャラチャラした男に、椿季を渡す気など更々ない。そもそも〝自分(おうか)以上の男〟以外に椿季を任せる気がないのだ。  桜花が〝自分以上〟と素直に認めているのは、双子の兄と舞の師範だけだ。まぁ、舞の師範はともかく、双子の兄は『重度のシスコン』で恋愛に興味がないらしいが………。 「あの…凄く、行きたいってわけじゃ………」  『わたわた』と慌てる椿季に微苦笑して、桜花は椿季の頭を撫でて言った。 「わかってる。ごめんな、椿季。気を遣わせたんだな。またんじゃないか?」 -以前。桜花と椿季が数合わせとして頼み込まれ、合コンに参加したことがあった。しかし、この二人が参加すると男性陣が軒並。  二人にがなくとも、合コンの意味がなくなってしまう。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加