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「………ところで。いつなんだ、その合コンとやらは。」
「えっ?い、一緒に行ってくれるの?」
思わず、椿季は聞き返してしまう。だって、さっき桜花は〝行かない〟と言ったはずだったから。
「…正直、気は進まない。でも椿季が行くのに、あたしが行かないでどうするんだ?」
その辺のチャラチャラした男に、椿季を渡す気など更々ない。そもそも〝自分以上の男〟以外に椿季を任せる気がないのだ。
桜花が〝自分以上〟と素直に認めているのは、双子の兄と舞の師範だけだ。まぁ、舞の師範はともかく、双子の兄は『重度のシスコン』で恋愛に興味がないらしいが………。
「あの…凄く、行きたいってわけじゃ………」
『わたわた』と慌てる椿季に微苦笑して、桜花は椿季の頭を撫でて言った。
「わかってる。ごめんな、椿季。気を遣わせたんだな。また嫌がられたんじゃないか?」
-以前。桜花と椿季が数合わせとして頼み込まれ、合コンに参加したことがあった。しかし、この二人が参加すると男性陣が軒並持っていかれる。
二人にその気がなくとも、合コンの意味がなくなってしまう。
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