- 桜花と椿季 二人の花姫 -

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「………で?話は戻るが、一体、いつだって?」  合コンは出会い系恋愛前提の、危険地帯だ。そんなところに、椿季を一人で(まぁ、他の参加者もいるが)行かせるわけにはいかないので、結局〝一緒に行く〟と言う選択肢しかない。  問われた椿季は、ブレザーの胸ポケットから、手帳を取り出すとパラパラと捲った。スケジュールに関してだけは、椿季はスマホを使わないから。 「ん~っと…………来週の月曜日?……… って、あ!」 「………何で気付かないんだ?明後日から、京都本家で『演習会』だろう。向こうに五日間いるんだぞ?その手帳にも、ちゃんと(しるし)が付いてるのに……………。」  因みに今日は木曜日である。明後日は土曜日で、そこから五日間となると当然、月曜日は、まだ京都にいる。  まさか、合コンに参加するために、神奈川~京都間を移動するわけにもいくまい。………しかも、とんぼ返りで………。 「ごめんなさい、おーちゃん。やっちゃったぁ……………」  おっとり系の美少女である椿季。おっとりだけなら、まだいい。問題は椿季の場合、頭に『(超)天然』と言う言葉が付いてしまうこと。
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