- 桜花と椿季 二人の花姫 -

16/19
前へ
/62ページ
次へ
 そんな椿季を『ホントに可愛い』と思った桜花は、また椿季の頭を撫でた。  幼馴染み兼親友である為、桜花は椿季を昔から知っているが、ホントに変わらない。いつでも真っ直ぐで頑張り屋。張り切り過ぎて、空回りすることも多いけど、それも桜花には可愛く思えるらしい。  そして、椿季が張り切るのは、桜花や親しい〝大切な人〟の為。 -可愛くて危なっかしいが純粋で愛くるしい-  こんなに、愛しく思える親友なんて、椿季だけだろう。だからこそ桜花は椿季に、とことん甘い。  けれど、ただ甘いだけでなく、駄目なことは駄目・嫌なことは嫌だと、ハッキリ言う。自分が間違わぬよう・椿季が間違わぬよう、お互いに補い合っている。 -あの幼き頃の日。お互い支え合って『生命  の危機』を脱した、その瞬間(とき)から-  あの時から桜花には椿季が〝必要〟で、椿季には桜花が〝必要〟なのだ。  お互いに〝必要〟で補い合い、支え合っている。そして、そんな二人を桜花の双子の兄・正宗(まさむね)が見守っている、と言う感じだろうか。  桜花も椿季も、護身術程度なら修得しているし、桜花の剣技はかなりの腕前を誇る。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

91人が本棚に入れています
本棚に追加