- 桜花と椿季 二人の花姫 -

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 だが、桜花の双子の兄・正宗の強さは 、その比ではないのだ。あらゆる武道に精通し、その剣閃は目にも止まらぬ速さだ。 -正宗の強さ。それは言うなれば、正にある  意味〝化け物級〟である、と言えよう-  そもそも、正宗の強さは『桜花を護る為』のもの。桜花自身も強いは強いが、上には上がいるのだ。  それでも相手が誰であれ。桜花は、椿季を護ろうとする。自分が傷付いても、椿季が無事なら、それでいい………と。 -それでも『護り切れないこと』だってある-  まだ幼かった頃のこと。ある時〝万事休す〟と言う事態になった時がある。まぁ、その時は正宗が駆け付けて、事なきを得たけれど、桜花は正宗に延々と小言を言われた。 『桜花は無茶し過ぎなんだよ!何で俺を頼らないんだ?桜花は〝女の子〟なんだから〝男に敵うわけない〟だろ?!』  しかし。どうやら、がまずかったらしい。それ以来、桜花は口調も服装も、行動さえも男っぽくなった………いや、男らしくするようになった、と言うのが正しいのだろうか。  つまり、女らしいことをしなくなった。とは言え、料理は元々『壊滅的』で、裁縫は『破壊的』なのだけれど……………。
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