2章 捕縛の掟

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・ 暑い地域に似合わず程好く涼しげな美形顔。 だが愛美は恐怖に固まっていた。 相手は盗賊だ… 逆らえば確実に殺されるっ… 「ご、ごめんなさいっ…許してっ…」 何もしていないのに謝るって府に落ちない── でも、ここは日本じゃない── 日本的な考えは一切通用しないんだからっ… 必死で考える愛美の肩を男は長い枕に押し倒した。 「なんの許しを乞うのか知らんが……お前は今から俺のペットだ」 「……ぺ…」 囁くいた男の言葉に目を見開く。何かを言い掛けた愛美の唇を男は指で遮った。 「ザイードだ…主人の名を先に覚えろ。それ以外お前が口にすることは許さん」 「──…なっ」 「しっ……」 ザイードの言葉に驚いた愛美の口を手の平で塞ぐと、ザイードは入口に目を向けた。 「ザイード様、お夕食を御持ちしました」 外からそう声が掛けられる。 「中に運べ」 愛美に覆い被さったまま、ザイードはそう返していた。 カーテンがゆっくり開くと数人の女達が銀の器を手にして現れた。
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