2章 捕縛の掟

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・ 「今度は気をやらなかったか──短時間で成長したな?褒めてやる」 「……っ!」 からかうように含み笑うザイードを愛美は思わず真っ赤になって睨み付けていた。 「なんだその反抗的な目は?あ?今すぐえぐってやろうか」 「──……」 腰に提げた小さな剣に手を添えて威圧する。その表情に愛美は熱の治まった頬を牽きつらせていた。 その顔を見てザイードは満足そうな笑みを浮かべる。 「それでいい──お前のそのあるかないかわからん存在感のない目なんぞえぐってもなんにもならん…」 「な…」 ザイードの言葉に目を見開いた。 そりゃこの国の人の顔にくらべたら日本人なんてペラペラで裏表もわかんないだろうけどっ… いっそのこと言葉が分からなければ腹も立たないのに──そう思う愛美に目の前の男はまるで愛美の百面相を楽しむように次々と愛美をこけおろす言葉を投げてくる。 ザイードはニヤリとすると手にした剣をわざと愛美の枕元に置いた。
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