2章 捕縛の掟

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・ 声を堪えて息を乱す愛美の様子を眺めながらザイードはそこへの愛撫を強めていった。 「ああっ…いやっ…っ」 「ふんっ、嫌でも濡れるか?生娘にしちゃ大したもんだな?」 「っ…ほんとにいやっ…帰りたいっ…」 「──なら逃げたらどうだ?」 「───」 ザイードの言葉に愛美はえ、っと声を止めた。 「お前の首は布切れで杭に繋がっているだけだ──」 「………」 「その枕元には何が置いてある?」 「……──」 愛美の視線は訊ねられたまま剣に注がれた。 絨毯を掴んでいた愛美の指先がかすかに動く。 この男は一体何を試したいんだろう── 今この剣を手にとってもあたしは逃げられない。 ここはたぶん砂漠のど真ん中だ── そして肌に着ているものはない。 こんな小さな剣を手にしても革紐を切ることさえ、あたしには無理だ── 愛美は冷静に考え始めていた。 間違った判断をすれば殺される──
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