2章 捕縛の掟

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・ 「縛られた子羊はここから棒を突っ込まれて体の中をぐちゃぐちゃに掻き回される──」 「──…」 「アッラー(神)には純粋無垢な悲鳴、嘆きでないと届かないからな…」 「……酷っ…い」 「最初の一声が上がった直後に咽を切る──」 ザイードは愛美の頬を撫で腰を近付けた。 「お前の一声を俺に聞かせてみろ──」 「──…っ…やっ…!──」 突き出したザイードの腰に圧され、愛美のそこに鮮烈な痛みが走った。 異国の猛り。それは初めての愛美にはとても耐えられない激しい痛みを与える。 声にならない声が愛美の喉の奥を締め付ける。 「啼けっ──お前の声で神を喚んでみろっ」 「ああっ──っ……痛いっ」 腰を掴まれグリッと根深く押し付けられる。愛美の口から悲鳴のような声が聞かれた途端にザイードは愛美の喉元に強く吸い付いた。 噛みつくような口付けを注ぎザイードの腰は力強い律動を繰り返す。 キツい締め付けにザイード自身の唇からも熱い声が漏れていた── 「はあ──…っ…祈りの儀式は陽の神が顔を出すまでやまない」 「──……っ!」 息を乱し首筋で囁かれた言葉に愛美は泣きながら息を飲んだ。 陽の神が顔を出すまで── 朝がくるまではこの行為が続けられる…
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