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ザイードは動きを繰り返しながら愛美の髪を撫でた。
「願いを聞いてもらうのはそう容易くはないってことだ──…っ」
ザイードの表情が苦し気に色っぽく歪んでいる。愛美の複雑な内壁がザイードの陰幹を包み、ザイードが擦り上げる度にえもいわれぬ刺激を送り返してくる。
「はっ…──…すごいなお前のこれは──っ」
腰を抱き、思わずそんな言葉が漏れていた。
まるで戦いを挑まれているようだった──
強く蝕み全てをもっていこうとしてくれる。
愛美の柔らかく包み強く締め付けるそこにザイードは時折、身を振るわせる。
ザイードは愛美を捕えていた長い布の結び目をもどかしげにほどいた。
手足の自由になった愛美を繋がったまま膝に抱き上げる。ザイードはほどいた布で今度は自分の身体と愛美を結び付けていた。
密着した肌がザイードの律動で擦れ合う。
「ああ…もっ…辛…い」
苦しい、痛い──
それ以外の何もない…
痛みと激しい揺さぶりで抵抗する力もなくなった愛美の口に、ザイードは小さな果実を含ませた。
「朝までまだ時間がある。だからあんまりよがるなよ」
甘い実が口の中で弾ける。熱い国の果実は栄養価が肉よりも高い。水分もビタミンも豊富な果実は砂漠の民にはなくてはならない命の源だ。
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