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「ならもう一度祈るんだな。そのうちに夜明けがやってくる」
繋がったまま、愛美の体を向かい合わせながら言ったザイードの高笑いがテント内に響音する。
体を捻られてまた中を強くえぐられる。
ザイードはくしゃりと顔を崩した愛美を抱き寄せた──
「ザイード様──」
「──……」
笑みを浮かべながら愛美の唇に顔を近付けた途端に外から声がかかった。
「なんだ──…呼ぶまで来るなと言っておいた筈だ」
愛美を抱き寄せたまま低い声だけを響かせる。
行為を止められてザイードは少し不機嫌さを露にしていた。
「今夜の寝屋は?──もう食の間に準備はしておりますが…」
ザイードの声に少し怯えたように尋ね返してくる。
ザイードは答えた。
「今宵はもう要らん──…お前達で好きに楽しめ」
「んっ…」
ザイードは言いながら愛美の唇を塞いだ。
ゆっくりと味わうように舌が這う──
冷めぬままの口腔を泳ぎザイードは愛美の口に残っていた果実を唾液と一緒に貪る。
そのまま愛美の下腹部に指を這わせた。
「ああっまたっ…」
急に触れられて愛美の口から喘ぎが漏れる。
ザイードはそこに触れたまま唇を重ねながら外の気配を伺った。
「誰がそこで耳を澄ませと言った?」
愛美は思わず自分の口を両手で塞いだ。自分の淫らな声を聞かれたと思うと恥ずかしい。
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