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なんなの!?
なんなの、あの人!?
「……はぁ~、はぁ~」
アーケード街に入り、彼が追ってきていないことを確認したかおりは胸のあたりを抑え必死に息を整えようとする。
走ったからなのか、さっきのことに動揺しているせいなのか、はたまた両者のせいか。
かおりの心臓はものすごいスピードで血液を循環させていた。
彼が歩けば、きっと行き交う人が振り返るであろう容姿。
ナンパなんて縁もないし、そもそも軽い男は好きではないのだけれど、かおりはほんの少しだけもったいないような気すらしていた。
ブルブルブル。
かおりは慌てて頭を振る。
自分ですらそんな気持ちになるのだから他の女のコがほっておくはずがないし、万が一でもあんな人を好きになったりしたらきっと苦労するだろうから、と自分のとった行動を納得していた。
出逢い/ナンパ 終
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