出逢い/合コン

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「でも、このメンバーじゃ、どう考えても私、引き立て役なんだけど……」 三人は自他共に認める美人で、その彼女らの中にいるとどう考えても合コンでなんて相手が自分を気に入る可能性は低いと、かおりは思っていた。 かおりの発言に三人はどっと笑い出す。 「っていうか。かおりもさー、もっと自分磨きなよ」 そう言いながら、十和子はまたあの瞳でかおりを射抜く。 「だねー。スッピンの時も多いし。かおり、絶対に化粧映えするのに。それに格好もさー、こんな日に普段のまんまだしっ」 つぐみからそう言われ、かおりは視線を落とし、Tシャツの胸元をぐっと掴んだ。 「ま、今日はデビューの日やし。私たちがいいパス出してやるけんね」 そう言いながら、美咲はかおりの背中をポンと叩いた。 確かにみんなの言う通りだ。 人の好みなんて十人十色なのだから、かおりのようにあまりメイクをしない女性を好む男性もいるだろうし、Tシャツにジーンズのみのラフなファッションだって好まれるだろう。 しかし、あまりにも男性を意識していない身だしなみだと、特に合コンのような場ではやる気がないと思われ、相手にされない可能性は高いだろう。
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