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「マイスイートハニー!!」
叫びながら両手を広げ、彼はかおりに近寄っていく。
ちょ、ちょっと~!?
なんとなくイヤな気配を察し、顔を上げるかおり。
案の定接近中の彼に思いきり顔をしかめる。
ちょっ!
軽いって言うよりイッちゃってる系!?
他の男性を押しのけずらし、男はちゃっかりかおりの前に座る。
マジで?
かおりは渋い顔をして再びうつむく。
当然のことながら、みんな不思議そうにふたりを見ている。
「知っとーと?」
かおりと男を交互に訝しげに見ながら訊く美咲。
「知ってるっていうか……」
うつむきがちに美咲を見ながらかおりは曖昧に言う。
「なんや、お前。知っとうとや?」
福岡でもかなりクセの強い方言を遣うスポーツマン。
彼の肩をバシッと叩く。
「知ってるもなにも。さっきナンパした」
「ナンパ!?」
「えぇ!?」
「はぁ?」
などなど、当然会場には驚きの声が上がる。
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