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「だよね、だよね。よしっ」
「な、なに!?」
彼はかおりの両手を取って立たせようとする。
突然のことに抵抗する力も入らず、スルスルと彼の意思のまま立ち上がった。
かおりの手を強引に繋ぎ、引っ張るようにして歩いていく男。
「ちょ、ちょ、どういうこと? まっ、待って待って!」
彼はかおりの反応などお構いなしに出入口まで歩き、突如くるり、みんなを見渡す。
そして、かおりに対してニッコリ笑ったかと思うと強引に自分のほうへ抱き寄せた。
「……っ!!」
かおりは驚きのあまり声も出ない。
それは周りも同じだった。
あんぐりとしてふたりを見ている。
恥ずかしいっ!
かおりはよそを向く。
「このコに惚れてるんでカップル成立~!」
一瞬間があり、すぐさまワーキャーと歓声が上がる。
かおりはクラクラとして全身の力が入らず、いつのまにか彼に支えてもらっていた。
出逢い/合コン 終
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