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「……どこ行くの?」
「オレんち」
「へ!?」
かおりは目を見開く。
そ、それって……。
モジモジしながら地面を見つめた。
「よしっ」
準備が整い、彼はバイクを押しながらかおりのほうへ寄ってくる。
そして、彼女の顔を見てフッと微笑んだ。
その表情にかおりは固まってしまう。
もうっそのカオヤバイし!
「大丈夫だよ。オレ、女の子に無理強いさせたことないし~」
あっけらかんと笑う彼に顔を真っ赤にするかおり。
「って、って、っていうかっっ! 私、アンタんちに行くことオッケーしてないしっ」
「え~、オレは一緒にいたいだけだし。”何もしない”って選択肢はナシ~?」
勘ぐったかおりの心理を逆手に取って男はニヤリと笑った。
「……っっ!」
顔を赤くしてかおりは悔しそうな表情で彼を睨む。
「ちなみに~。相手のほうからその気になるみたいだよ」
冗談まじりで言う彼。
「!!」
“どこからそんな自信が”と思うのだけれど、彼の言うことは間違っていないのかもしれない。
すでに彼に魅了されていた彼女は言い返すことができなかった。
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