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長崎は大変坂の多い町である。
かおりは中学校の修学旅行で長崎へやってきて、その時いたくこの町を気に入った。
そのため、漠然と「この町にいつか住んでみたい」と思っていた。
しかし、いざこの町に住んで痛感したのが「住むには不便」という点。
それを強く思わせているのが坂の多さ、しかも、かなり急である点だった。
今朝も大学までの道のりを最寄駅から歩いたのだが、大学前の坂は息が上がって汗もびっしょりとかき、化粧が早くも崩れる始末。
特にこれからは暑さも増す一方。
去年のことを思い出され、大学へ通うたびかおりは少し憂鬱になった。
だけれども、やはり憧れていた町で憧れていた独り暮らしをできることは嬉しかった。
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