依存する男

依田という男

この日、依田が家に帰ったのは日付が変わってからだった。

打ち、買い、そしてしこたま飲んで帰ってきた。

給料日まではあと20日。

本日使った金額、パチンコ３万円、風俗２万円(延長)、飲み代９千円、締めて５万９千円也。

繰り返すが、月収は２５万円である。

普通の会社員は、そこから家賃、水道光熱費、食費などの生活費を捻出し、さらに貯金もする。

だがこの男は、生活費を捻出しないどころか給料など次の給料日の１週間前には使い果たし、それでも節制はせずに足りない分は借金で補う。

また、たまにパチンコで勝っても借金の返済には充てず、｢次の勝負をするタネ銭ができた｣と喜び、その足で飲みに行き、風俗へと足を運ぶ。

そして、借金を真剣に返すことは考えない。とりあえず今が楽しければいいのだ。