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こらえきれない動物の息づかいが保健室の天井に満ちて、体中が心臓に化けたように、心臓同士が繋がる先を探すかのように、グロテスクな時間に吸い込まれて収斂していく。
噛んでいたジャージはシミをつくって、保健室の窓からセミの鳴き声が飛び込んできた。
窓から入ってきた風が体を撫ぜた時、一之瀬くんは汗をぬぐって自分の本来ある世界へと手を伸ばした。
「……じゃ」
低い声とともに保健室のドアが閉まって、私はようやく2人分の汗で重くなったジャージを整え、布団の中にもぐりこんだ。
体内を荒らした熱は静かに静かに地に堕ちて、再び頭痛が蘇ってくる。
セミの鳴き声が響いて、太陽の光がぎらぎらとすべてを陽のもとにさらさんと狙っている。
暑くて溺れてしまいそうな、熱の交歓。
このまま眠りを貪りたい。彼が残した熾き火を鎮めてしまいたかった。
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