私の都合

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「相変わらず貝ばっか食べてる!」 「うっさい!好きなんだからいいだろ!」 テーブルに並んだ料理は、鰈の姿煮、お刺身盛り合わせ、ホタテバター焼き、貝盛り合わせ、サーモンのカルパッチョ、赤貝のお刺身、鯛のアクアパッツァ…。 よくもまぁこれだけ魚介類ばかり頼んだものだ。 「任せるって言ったのは玲乃(あきの)だろ?」 「はっはっは!そうね!そうだったわ!はぁ…じゃあ、」 嬉しそうな翔を横目に、軟骨唐揚げとジャーマンポテトを、と言おうとしたのを割って、 「大根サラダ追加して」 「りょ!」 大里さんがリクエストする料理名を敬礼しながら聞いている昌樹。 「あと、酢の物」 「女子か!」 私の全力のツッコミに大里さんは真顔だ。 「違うけど?」 「知ってるし!」 そんなやりとりを、昌樹も孝もいつものことだとさして気にも留めない。 「うひゃひゃ」 昌樹の独特な笑い声はここにいる5人テンションを上げるスイッチだ。 元気が取り柄の昌樹は、大学を卒業後、確か貿易商社に就職したと聞いた。 何を貿易してるのか尋ねると「簡単にいうとキラキラしたもの!」と答えたので、そんな昌樹でも勤まる会社はこの先大丈夫なのかと本気で心配だ。
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