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振り返ることも、四つん這いの格好を崩すことも出来ず、恐々と声を出す。
「かず、や……?」
「おぅ。ってか、なんちゅうカッコしてんの。ほら、どいて、入れないから」
慌てて姿勢を正して正座した私の隣で、和也は立ったまま踵を踏んで靴を脱いだ。
部屋に上がっていく幾何学模様のダルダルになった靴下に、目頭がじゅわっと熱くなる。
部屋からは、四人がそれぞれに久しぶりと声をかけ、和也もどもども!とか明るく返事をしていて、
私は、片方がひっくり返った元カレのスニーカーの向きを揃えて、お店のつっかけサンダルを履いて御手洗いへと逃げ込んだ。
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